■ご挨拶
感謝の言葉に替えて
医療法人潁原会東毛敬愛病院(旧名潁原病院)は太田市の韮川地区で40年以上地域医療を担ってきました。ひとえに地域の方々の温かい支援があったと厚く感謝申し上げます。
当院は48床の非常に小規模の病棟があり、太田記念病院・足利日赤病院などの地域の基幹病院から紹介された患者様が多く入院されています。これからも太田医師会を始めとする近隣の先生方と強く連携して、地域の医療システムの一翼を担う存在であり続けられるよう精進していきます。
日本は世界一の高齢化社会を迎えました。当院も高齢者の医療を重点的に行っています。このたび「認知症の専門的な医療機関」としてリニューアルしましたことを報告申し上げます。
院長 頴原 禎人
■認知症専門医療機関として
日本に462万人!
最新の研究では、現在日本に462万人、群馬県に7万人以上、太田市に7000人以上の認知症の方々が存在することが分かっています。その中には積極的な介護保険サービスを受けている方もいれば、診断さえされず適切な援助を受けられていない人もいます。認知症のことは相談し辛い、どこに相談していいのかわからないというご家族も多くいるのではないでしょうか。
当院では地域のこういった疑問・不安に応えられるように活動していきます。
「自分らしい生活」のために
認知症は予防することが何よりです。どんな病気も早期発見・早期診断をして早期に治療を開始することが重要です。認知症も同じく早期診断されれば「自分らしい生活」ができるだけ長く続けられます。そのために当院は特に予防に力を入れた地域医療活動をしています。
住み慣れた地域で最後まで望む人生を送れるように、当院は認知症になっても、患者さんの気持ちを優先させる治療をしています。人生の先輩である大切な人の、人生の最終章を豊かなものにする。そのためには脳を守らなければなりません。そういった気持ちで、これからも地域医療に貢献していきたいと思っています。
■当院の理念
ロゴマークに込められた思い
“6つの理念”
今後も増加する高齢者に、最大の効果が得られる良質の医療を届けられることを目的とします。特に認知症に関しては予防の重要性を強調し、健康長寿を実現し、この地域に住む高齢者が安心して生活し続けることを使命と考えます。
高齢者の生活を支えるのは医療だけでは十分ではありません。医療や介護、福祉、地域社会の全ての資源を利用して、多職種によるきめ細かい支援で多様なニーズに対応していくことを目指します。また地域の医療介護施設との連携を重視していきます。
病院は地域的存在であることを再確認して、地域社会の一員としての貢献を主体的に行っていきます。深刻な高齢化が及ぼすことでの地域の課題を、最も積極的に解決していく姿勢と、地域で高齢者を支える提案、情報発信を行います。
安全であることが医療の第一条件です。その為には、きちんと説明すること、プライバシーの保護を徹底すること、法令を尊守することを心がけていきます。特に高齢者の権利擁護の問題には専門のスタッフを配置して対応していきます。
医療は様々な研究のもとに成立するものです。科学に裏付けされた、正しい治療法を適切な手段で提供します。そのために積極的に研究会活動、学会発表等を通じて、常に最新の知見を実践できる努力をしていきます。また臨床治験にも協力していきます。
ありきたりな言葉ですが、思いやりのある医療を心がけます。私の出身大学である慈恵医大の「病を診ずして病人を診よ」とある建学の精神に則って、画一的な医療ではなく、人に寄り添う個人の存在を大切にした医療の実践を最優先の目標としたいと思います。